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私と息子

先日、久しぶりに先生(息子が不登校から学校へもどるためのご指導をして下さった先生です)にお電話をいれてみました。今、自分のやっていることの方向性があっているのかどうか、少しお聞きしようと思い立ちました。先生は相変わらずお忙しそうでしたが、温かく聞いてくださいました。やっぱり先生の声を聞くと本当に安心します。

そのお話のまえに・・・私と息子のことを書こうと思います。
私は息子にはずっと複雑な思いがありました。最初から子育ては全然楽しくありませんでした。子供の性格的にも小さい頃から気移りが激しく、振り回されることが多く、そのくせ新しい環境にはぱっとでていけないところが、私の神経を逆撫でするのでした。今から思えば、子供も手がかかるほうだったとは思いますが、私が未熟な母親だったということが大きいのでしょう。

活発ではつらつとした男の子像が頭にあって、そういう子に育てないと!と思い込んでやってきました。でもやってもやってもそうならない(そういう子じゃないんですものね)。
そのうえ、つれて歩くとあれこれと自分中心の言動で、お庭でこちらがくたくたになるまで十分遊んでも毎日すんなり帰れない、家族でのお出かけも日常の買い物も全く楽しくすごせないなど・・・毎日本当にイライラしました。そうして振り回されて過ごして、夜になると私に甘えて手を触りながら寝るくせがありましたが、どうにもこうにも嫌悪感でいっぱいで受け入れられない日々でした。

愛情はなかったとは思いません。ちょっとした言動にこの子ならいろんなことができるだろうという誇らしい気持ちを感じることもありました。気に入った洋服を着せてみたり、一緒に遊んでみたり、絵本を読んでやったり、他のお母さんがされているようなことは一通りしてきたと思います。矛盾しているようだけど、子供がいやな目にあうのを避けるよう動いてやったり、たくさん甘やかしたりもしてきました。
でも悲しいかな、どうしても私の思うように育たず、私の行動範囲をせばめる(自分から束縛されるように動いていたのですけど。)息子をかわいいと思うことができませんでした。

再登校してからも困った性格はすぐに改善はしないことはわかってはいましたが、何かあるごとに「まだ言うのか~まだやるのか~」と心の中で腹だたしく思いました。
腹立たしいけどそれを子供に向けてださないことはやっぱり相当の我慢が要りました。
先生にも何度も愚痴を聞いていただきました。

そうして二年近くたって・・・ようやくわがままされても甘えられても「ああ~こんなものなのね」と笑えるようになりました。気がつけば息子はもう10歳、産んでからかわいいと思うまでに10年もかかってしまいました。
ああ~書いているとなんだか泣けてきます。干渉したことはもちろんですが、それにもましてかわいいと思えずに育てるなんて、本当にかわいそうなことをしてしまいました。

先生とのお話にもどりますが・・・・
最近少し息子が甘えて頼る場面が多いような気がしていて、私達の対応に問題がありますか?とお尋ねすると、「○○(息子)には野球が結構高いハードルだと思います。それを考慮すると甘えはあっても不思議はないと思うし、気持ちを汲むことはまだ必要なことですね。ただ、○○のような甘えん坊タイプにはやりすぎるとどんどん甘えがエスカレートするので頃合が難しいかもしれません。」とのお話でした。

私自身、かわいいと思うようになってからは、特に我慢しなくても自然に気持ちを汲むことができるようになりました。もしかすると息子は私のそういう変化を感じているのかもしれません。だから甘えるのかなあ。
これからは、時と場合によって子供のためになる支え方を考えないといけないのかも・・・息子がかわいいからといって構いすぎない様に気をつけたほうがいいかなと思いました。

先生とお話できて気持ちが整理できました。とてもすっきりした気分です。先生、有難うございました。

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コメント

メリーベルさんの長い間の複雑な思い、とてもよくわかる気がします。書かれていることに共通点も多く、うんうんそうだった...なんて思いながら読ませて頂きました。
子供に振り回されて(そのようにさせてたのでしょうが)は嫌悪感を抱き、思うように育たないことにイライラし、甘やかしたり干渉したりで矛盾した愛情に私も子供も混乱していたと思います。
なんとかしたくて本をたくさん読んだりしましたが役立ったところもありましたが、自分に都合よく解釈して状況を悪化させたものもありました。
今幼稚園児の次女を育てていると、当時の娘の事が思い出されてきます。あの頃今のような気持で接していたらずいぶん違っていただろうなと思います。でもまあ遠回りしたおかげで先生やメリーベルさん達に出逢えたのですが...
私も2年経ってようやく自然な感情を持てるようになった部分もあるように感じます。その反面、時間の経過とともに甘さや親の欲が出てきてしまう感じもするので、改めて気持ちを引き締めなければと思っています。
先生とのお話で野球は息子さんにとって高いハードルと言われたのですね。これほど子供のことを理解して下さる方の存在は本当にありがたいですよね。

投稿: ふらわぁ | 2008年2月 8日 (金) 14時40分

複雑な思いの中での子育て・・・メリーベルさんの今までの思い悩まれた様子が伝わり、胸にとても響いてきました。
こんな風に育ってほしいという思いは誰にでもあると思います。それが思うようにはうまくいかない・・・私も毎日イライラしながら、時には自分の感情で怒ったり、矛盾だらけの生活を送っていました。「この子がいなければどんなに楽か・・・」なんて思ったこともあります。なんてひどいばかな母親だったのでしょう・・・

でも気がつくことができて良かったですよね。
(私は本当に気がついているか疑問ですが)
メリーベルさんのこの10年の子育ても決して無駄ではなかったと思います(大そうなことを書きすみません)

先生とお話されてすっきりされたようでよかったですね
子どもひとりひとりの性格をきちんと把握してらして、いつでも親身に話を聞いてくださり、本当に安心するんですよね。
私も先生に相談せずにすむ日が続いたらいいのだろうなと思うのですが・・・継続登校の難しさを痛感中でございます

投稿: | 2008年2月10日 (日) 01時25分

上記↑の名無しさん。かれんでした。

投稿: かれん | 2008年2月10日 (日) 01時28分

私も、子供はこうあってほしい、だから、私も頑張って子育てしなくちゃと力んで、空回りしていたころを思い出しました。

今思うと、子供は、親とは違う人格ですものね。まったく認めていなかったと、反省します。。。

うちも、結構甘えん坊で、ちょっと気にかけすぎると、わがままな態度をとることがあり、「あ、やりすぎた~~」と反省しますが、その、ころあいがむつかしいですね。

反対に、淡々としすぎると、冷たくなりますし。。。

メリーベルさん、先生にお話ししていただき、すっきりされたようなので、本当によかったですね。

心の支えになってくださる先生に感謝しますね~~>

投稿: テンテン | 2008年2月10日 (日) 06時54分

メリーベルさん お久しぶりです。

メリーベルさんもですか?
私も子育てが楽しいと思えず、いつも肩に力が
入ってたと思います。
同居している主人の両親の視線が常に気になって
いて(今でもですが・・・)しんどかったです。
子供の気持ちに寄り添うとか全くなかったです。

いつも足元に落ちている石を先に拾って、子供には綺麗にならされた道を歩かせていたのです。

ハードルについてのお話もでてきていますが、
これまた、お恥ずかしいですが子どもたちに対して随分高く設定をしてました。
いろいろと勉強をしていくうちに、ハードル設定を低くして子供に付加をかけない、デットラインを下げる、子供も親も随分楽になりました。

先生の存在って大きいですよね。
お声を聞くだけで安心しますよね。


暫くコメントできませんでしたが、いつも読ませて頂いてました。
時に「お父さん大爆発」「休み明け」「私と息子」この三部作はとても考えさせられました。
次回の更新、楽しみにしていますね。

投稿: リンダ | 2008年2月10日 (日) 10時54分

みなさん、心にしみるコメントを下さってありがとうございます。
みなさんそれぞれのこれまでの葛藤やご苦労には、環境は違えども共通するものがあるとわかりました。長男の子育てに関しては、ここまで気持ちを打ち明けて理解してもらえるのは…やっぱりみなさんだけだと思います。私は一人じゃないんだとエールをもらった気分です。

ふらわぁさん
本当に遠回りしましたが、出会いという宝物ももらえました。同じ時期に同じ思いをしてこられたふらわぁさんは私にとっては心強いお仲間です。この先もどうやっていくか、一緒に一歩一歩考えて進んでいけるといいですね。

かれんさん
10年が無駄でないという言葉、うれしかったです。ただ無駄になるかならないかは、これからにも大きくかかっているとも思います。これからは子供に愛情をさりげなく伝えながら見守ろうと思います。
かれんさんはまだ少し大変な時期だとは思いますが、ご自身でしっかりと歩んでこられているので、逆に今のうちに先生からたくさん学ばれるつもりで頼られてもいいのでは?と思います。

テンテンさん
今は何歩も先を歩かれているテンテンさんにも私と同じような思いがあったんですね。
子供の成長とともに、「頃合」を考えることも多くなるのでしょう。その辺りはまたテンテンさんのお話を大いに参考にさせてくださいね。

リンダさん
いつも読んでくださってありがとうございます。同居というのはただでも難しいこと、その中での子育ては私のそれとは比較にならないほど大変だったと思います。
私達は子供を評価しないことを教わりましたが、おそらくはリンダさんご自身が良くも悪くも義両親から評価され続けてこられたのではないでしょうか。(勝手な想像ですが)だとしたら、それはとてもしんどいことでしょうね。そんな中でも子供に寄り添おうと今も努力されていることはすごいことだと思います。

ハードルについては…私も強い子にしたかったので相当高かったと思います。でも自分でその意識はなかったのがまた怖いところでした。
成長には越えられるかどうか、見極めてやることも大事なのですね。

毎回騒々しい我が家の様子はお恥ずかしいかぎりですが、失敗談も何かの糧になるかと思い書きつらねています。これからもよかったら見守ってくださいね。


投稿: メリーベル | 2008年2月10日 (日) 13時46分

私も長い間、息子の子育てには悩んできました。
暇~~退屈~~何もすることない~って、言葉を発せられるごとに、自分で考えて出来ないの?って思ったり、自分勝手でわがままだし、予防注射を暴れてできなかったり・・と、数々の悩みがありその何年後かに不登校という道をたどりました。本当に思うようには育ってくれず、よその子と比較したりして不登校になる前もずっと悩みました。でも私は息子のことは、本当に可愛くて甘えも上手で私もついつい甘やかしていたのでしょうね。だからこの結果です・・
自分の意見をころころ変えるところなんて、本当に矛盾していてかなり息子には振り回されました。そんな時に、もっと私も主人に相談してメリハリつけて叱ってもらえばよかったのかもしれません。今となっては、どうしようもありませんが・・・複雑な気持ちはよくわかります。


先生とお話できてよかったですね。
私はまだいつでも先生に話が出来るので先生にも甘えてばかりですが、これから先をもっと見据えて頑張らないとと思います。

投稿: 不登校ギミ | 2008年2月11日 (月) 23時53分

不登校ギミさん
子供の困った行動に振り回される感じ、とってもよくわかります。あの頃は本当に悩みましたよね。私も主人にもっと叱ってほしいとか、いろいろ思っていましたし。

支援を受ける中で先生の経験談などを聞かせていただくことがあったのですが、他のお母さん方はお子さんをとても愛していらっしゃるんだなあと思ったことがありました。息子との関係が煮詰まってゆがんでしまっていた私には、もう可愛いとか愛してるとかいう気持ちがあまり感じられなかったので、ちょっとおかしいのかもしれないと思っていました。
でも突き詰めればそれも子供への愛情ゆえということになるのでしょう。子育ての意味を取り違えていた私自身の問題だったのだと思います。

私が本当の意味で「変わる」にはこれだけの時間が必要だったのですね。これからもまだ変わっていくのかもしれませんが、願わくはいい方向へ変わりたいと思います。
これも先生が根気良く私の気持ちを汲んでくださったからできたことだと感謝しています。気持ちを汲むってとっても大切なことなんだと改めて思います。

投稿: メリーベル | 2008年2月12日 (火) 09時07分

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