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子供の話を聞くこと

朝日新聞でここしばらくの間、「ルポ学校 子供を救え」という連載がありました。
学校生活になじめない(ように見える)子供を支えるために、ある小学校では担任をもたない「困り事担当」という先生を置いて子どもに向き合う取り組みを紹介したものでした。

最後の回には、同じような仕事をされている小学校の先生からの投書がありました、

「・・・小学校の生活指導は非行をしかるというより、じっくり子どもから話を聞くと言う対応がほとんどです。子どもは話すことで自ら気持ちに整理をつけることができます。そのためには一人の子にしっかり時間をとって向き合う教師が必要です。・・・」

子どものことでは、本当に話を聞くだけで解決することがたくさんあると常日頃感じていたので、この言葉にはとっても共感しました。こういう先生がいらっしゃって、聞いてもらえた子どもは幸せですね。

学校では子どもの持つ問題が表面化してしまうから、こうして先生方も頑張っていらっしゃるのだけど・・・

私達親の一人一人が、「子どもの話に黙って耳を傾ける」だけでも違ってくるような気がします。全ての子どもの抱える問題がそれだけで解決するとは思わないけど、少なくともうちの息子が学校へ戻れたように変わる子供もいるに違いないと・・・。

…………

「明日特水(特別水泳練習)かぁ。しんどいんよな。結構疲れるんよ。お母さん分る??」

「そうかあ、疲れるんやね。お母さんにもちょっとだけは想像できるよ。」

「たぶんその想像よりしんどいな。」

「そうなんや~それは相当しんどいんやね。」

「うん、何で俺入ってしまったんかなあ、ああ」

「何でやろうねえ」

…………

「○(友達)、今日も前も、プールに誘っても来なかったけど、なんで来ないのかなあ。」

「さあ、どうしてかなあ。」

「明日も△達とプール行こうってみんなで約束したんやけど、また○も誘ったほうがいいかなあ。でも○は結構すぐきれてすねるから、△が○を誘うなって言うんよ」

「そうなんやあ。○君は何かに腹が立つことが多いのね。△君はそれが嫌なんだね」

「△だけじゃなくってちょっと最近みんなが○にそういう感じ。どうしよ」

「困ったねえ。どうするかなあ」

「○は今日誘って来んかったし。明日は約束してないからやめとく。でも今度、俺達(△君達がいないとき)だけのときはまた○も誘うようにしてみる。」

…………

ふ~ん、そうだねえ、嫌だねえ、困ったねえ、面白いねえ・・・とうなづきながら、後は子どもが言った事を繰り返すかちょっといい変えるだけで、面白いように会話が勝手に進みます。困り事でも大抵は子どもが自分で結論を言うか、もしくは結論がでなくてもそれですんでしまいます。

昔は何事も子どもに聞かれたことには答えてあげないといけないと一生懸命しゃべってしまってました。何よりもおしゃべりな私は自分がしゃべってなんぼとかって思ってましたから。

いろいろ勉強させてもらってからの私にとっては「話を聞くこと」が人間関係の全ての始まりかなと思うくらい重要な事のように感じています。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

本当にそうですね。
話を聞いてもらえることは、子どもでも大人でも、
嬉しいことですよね。
そうそう、私も、聞かれたことは答えてあげなきゃいけないと思いこんでいました。
聞かれたこと以上に、いっぱい話していましたね・・
それでちゃんと子どもと会話している良い親だと思っていました(汗)
今思うと、子どもの話を聞くというより、こちらの話を聞いてもらっていたんだなとすら思います。
子どものために良かれと思って、自分の若い頃の話をしたりしてたけど、都合よく話していたように思います。
親は子どもの話の聞き手になるだけで良いのにね。

これからも宜しくお願いします^^

投稿: メルシー | 2008年7月 7日 (月) 22時39分

子供の話を聞くってこと、大切ですよね。
うちは子供たちはよく喋ってくれます。
もちろん私もかなりよく喋りますので、私については喋り過ぎを気をつけなければなりません。
今でも気を抜くと、一人でよく余計な言葉を喋っていますから。
まだまだ油断禁物ですね。

このテーマを読んで、より一層気をつけなければ!と気を引き締め直しました。

投稿: ふーみん | 2008年7月 7日 (月) 23時03分

メリーベルさん、はじめまして。
ずっとブログは読んでましたので始めましてって感じがしないのですが、私も不登校だった娘の母です。

この会話にそっくりな光景が最近我が家でもありました。
娘は今陸上記録会にむけて練習頑張ってるんですが、かなりくたくたになって帰ってきては
「ああ~~、疲れた。私がどんなに疲れたかわかる?たぶんお母さんが思ってる以上に疲れてるから。もう辞めたいわ~なんでやりたいなんて言ったんだろう」
って感じです。
でも、その後は、「私にとって記録会はオリンピックなんだ。去年は選ばれなくて涙をのんだけど、今年は選ばれたんだもん」
マイナス感情を吐き出すと、気持ちがプラスに向かうみたいです。
聞いてあげることの大切さを実感します。
リンクさせていただいてもいいですか?

投稿: ayami | 2008年7月 8日 (火) 09時41分

メリーベルさん親子の会話はそのまま本に載せても良さそうなくらいですね。
子どもの話を聞く時、途中で勝手に想像しない事が今の私の課題です。
聞いている途中で、次に~やだなどと言うのではないかと頭が回っちゃうのです。あと、こちらに不都合な要求をしてくるのではないかと身構えたり...
時々、途中で余計な事を言ってしまい「しまった~」と思ったり、黙って最後まで聞いたらこちらの想像とは違っていて「あ~言わなくてよかった」と思ったり...
次女の話もよく聞いてあげたいと思いながら、「あのね、あのね、...」で進まないとつい急かしたり、こちらから言う事が多かったりで反省、です。
頭を白紙にして黙って聞けるようになりたいなと思います。

投稿: ふらわぁ | 2008年7月 8日 (火) 11時30分

娘が中学に入るとき、学年主任の先生が、
保護者に向けて話されたことです。
「中学生は、思春期・反抗期といって、扱いにくいと言いますね。
話をしたがらなくなったり、出てくる言葉は、腹が立つものだったり。
でも、本来子どもは、純粋で、かわいいものなんですよ。
本当は、周りの大人に、話を聞いてほしいと思っているのです。
だから、話しかけてきた時には、黙ってきいてあげてください。」
私の胸には、しっかりと残っている言葉ですが、
正直、他の方が、どれくらい理解できたかな?と思いました。
支援を受ける前の私なら、「そんな当たり前のこと、今更言わなくてもわかっているわ。」と思いながら、実際には、全く理解できてなくて、そのまま聞くと言うより、聞き出そうとしていた気がします。
「子どもの話に黙って耳を傾ける」
とても大切なことだと思っています。

投稿: ノエル | 2008年7月 8日 (火) 15時47分

メルシーさん
そんなのわかってるわ~と私もいい親のつもりでいたので思い出しても恥ずかしいです。
息子はもともと良くしゃべる子だったけど、不登校前、年長から小1くらいにあまり話さなくなった気がしていました。私が話せないようにしていたんですね。
自分も話を聞いてもらえてうれしいという気持ち、忘れないようにしたいですね。
ブログリンクさせていただいていいでしょうか?


投稿: メリーベル | 2008年7月 9日 (水) 08時47分

ふーみんさん
そうそう、油断禁物なんです、私も。しゃべるのが好きだから。
でもそういうのは自分の友達とたまに話して発散するのがいいのかもしれませんね。(主人も忙しいし~)
私もふーみんさ同様気を引き締めているところです。なんせ、夏休みが近いですしね。


投稿: メリーベル | 2008年7月 9日 (水) 08時50分

ayamiさん
はじめまして。ご訪問ありがとうございます。ノエルさんのところでのご紹介があったので、ブログ拝見させていただいてます。
復学までとても努力なされたこと、すごいと思いました。お仲間が増えるとそれだけ勉強になるのでとってもうれしいです。
こちらからもぜひリンクさせてくださいね。

娘さんは陸上頑張っておられるんですね。うれしいですね。
それにしても全く同じような発言なので、驚きますね(@_@)
学校を休んでいた子どもが自分で何かを頑張ろうという気持ちをもつだけでも私はすごいと思うんです。でもその気持ちを持続するのはなかなか難しいことなのでしょうね。そういうときに家で話を聞いてやるだけで、気持ちがプラスに向くというのは・・私には今も魔法のように感じることがあります。それだけ、いらないことを言っていたということなんですけど。

これからもよろしくお願いしますね。

投稿: メリーベル | 2008年7月 9日 (水) 08時59分

ふらわぁさん
ほめて頂くのはこそばゆいのですが・・・。

子供の言うことを想像するということは私もあります。ちょっと子どもの言動が気になっているときはそうなりやすいですね。今は息子が落ち着いているように見えるので、あまり気にしないでフツウの会話をしていることが多いですが。
ふらわぁさん家は娘さんだし、結構鋭い話も多いのかな~。そうなると会話も難しいですよね。
うちも下の子は小学生なのにまだるっこしいですよ。なかなか話が核心にいかないです(笑)。でも次男の場合は内容もかわいい話が多いし、核心につくまで考える時間をくれるので、長男に備えての練習になるなあなんて思ってます。
何にせよ、子どもに関しては先入観はもたないほうがいいようですね。

投稿: メリーベル | 2008年7月 9日 (水) 09時12分

リンクの件、喜んで♪
ヨロシクお願いします。
私の方も、リンク貼らせて頂きました。
これからもヨロシクお願いします。

投稿: メルシー | 2008年7月 9日 (水) 09時15分

ノエルさん
そうですね。私もいろんなところで何度も聞いた気がします。でも自分が子どもの話を聞いている「つもり」だったので・・・改めて振り返るということはなかったですね。
私も周りで、子どもが反発すると「反抗期だから。」「反抗期かしら?」と言うのを耳にしますけど、それは違うと思ってます。子どもの気持ちを聞いてやれないことが、反抗をよんでいることが多いと思うのですが。
「反抗期」という親に都合のいい言い方で、子どもをひとくくりにせず、謙虚な気持ちで親自身の言動を振り返ることも必要かなと思います。もちろん大きくなれば子供の気持ちも複雑になってくるので、より会話のスキルが求められるんだろうなあと想像しています。
でもいったん話さなくなってしまったら、親もお手上げというのはわかりますから、聞きだすんでなくて聞く姿勢の大切さ、知って欲しいですね。

投稿: メリーベル | 2008年7月 9日 (水) 09時25分

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