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逃げる

いい感じかなーと思っていても、人間全てが100%順調ってことはないようですね。

これまでもいろいろとあった野球なんですが・・・・

少年野球は八月で大会の区切りがつくらしく、九月からは五年生が中心になりました。ただし六年生は六年生だけの試合というのもあるので、オスカー達は昨秋からこれまでライバルだったチームの六年生と合同チームを作って練習をしてきました。
そのライバルチームはオスカー達のチームとは違ってなかなかの強豪でしたから、一緒に練習して改めてその上手さに感心するばかり。練習量が違ってるし、当然と言えば当然なんですけどね。
そんなふうに実力に差はありましたが、子ども達はすぐにうち解けて、三ヶ月ほど毎週末を終日費やして練習したおかげか、オスカー達も結構上達はした様子。12月からはいくつかの大会が始まっています。

前置きが長くなりましたが、今週も大会でした。土曜は早朝に集合で五時にはちゃんと起きてきたオスカー・・・・でしたがどうも様子がおかしい。

「俺さあ、昨日布団で涙がでてねられんかったんよ」
「?へーそうなん?どうして?」

「なんかさあ・・・行きたくないなって思ってさあ」
「????そうなん?」

「うん・・・・なんかさあ、もう何もかも嫌になってさあ(涙声)」
「えーどうしたの?」

「・・・・(うえっうえっ)守備もさあ、走塁もさあ、もうぜーんぶ面白くなくってさあ(ひっくひっく)」
「えーそうなの?面白くなくなったん?この前は自分でも上手くなったって言ってたのに?」

「上手くなってもさあ、なんかさあ、もうやりたくないんよ~(おえっおえっ)」
「・・・・それはどうして?いつからそう思ってたの?」

「もう・・・わからん~・・・
「えー・・・・どうしようかーそうかー行きたくないってかーうーん・・・えー、そういうこと今日の今日言うかー??どうしよう??」

オスカーのこういう感じ、しばらくなかったので、ちょっと油断してて・・・正直どうしようかなーと困りました。出発時間は迫ってくるし(私はまだ化粧もしてないし)。

「あーでももう時間来てるし。5時半には出ないと間に合わんしねー。」
「でも・・・行きたくない・・」

主人も起きてきてこの様子を見て・・・お互いに目を見て、『あーこりゃだめだー動かんなー』という暗黙の了解。遅れるとみんなに迷惑なので、集合には間に合わないことをとりあえず連絡しました。

その後、話を聞くに。。。要するに守備は上手くなったけど、打撃の方が皆目だめなことを気にしているらしい。
打撃練習は素振りをするなどほぼ個人に任されているので、家でなーんにもしてないオスカーの場合、当然上手くなるはずもありません。さらに最近、野球ノート(練習などで気がついた事や野球に関して考えた事など)を毎日つけて提出するようにYコーチに言われているようで、それもできてなくって溜めていて追い詰められていた様子。

「素振りとかしないといけないけど・・・俺にはそれができんのよー。続けられないんよー」
「もう打席に立つのが怖い~」
「ノートも何をかけばいいか・・・全くわからない・・・あああああー」(泣きじゃくる)

悲壮感を漂わせて泣いている我が子には悪いけれど、見ているこっちは何だか可笑しくなってしまって何も言えませんでした。

練習しないと上手くならないのはわかっているけど、練習が面倒くさくてできない(野球ノートも面倒だし、個人練習してない事があからさまになる)→上手くならない→打席に立つのが怖い(Yコーチに会うのも怖い)→もう行かない

宿題ができずに学校へ行けないと泣いていた幼いオスカーが重なります。
この日、結局は大会をすっぽかすというゆゆしき事態になりました。

その日一日、もんもんとした様子ですごし、「お母さん、どうしたらいいん?僕は」とまるで小さい子供のように私にすがってきましたが・・・。最初に今日やった事はさぼりであると釘を刺しました。やってしまったことは仕方がないが、このことには自分できちんと落とし前をつけないといけないと言いました。

しばらくして翌日の大会はどうするのか返事をする必要があったので、そう促すと、「・・・じゃあ、明日は行く・・・わ」と全くもって歯切れの悪いこたえ。

その後もすっきりしない様子でぽつぽつ漏らす泣き言につきあいつつ、「オスカーがそう思っているように上手くなるには練習は必要だとお母さんも思う。だたそうであっても実際にできてないものはどうしようもない。試合になると嫌でもバッターボックスに立たされて結果が露になるから何とも嫌な気分になるというのはお母さんにもよくわかるけど・・・N監督にはもうバレバレのように思うし、何よりスタメンに入っている以上は試合に参加することが一番大事で、そこで今の自分の最善のプレーをすることが二番目に大事な事だと思うよ」などとアドバイスしてみました。

最終的にはチームの人から返事を求める電話があったとき、主人に有無を言わさない調子で返事を促され、「行きます」とはっきり答えていましたが。

後で主人に私が聞いたオスカーの話をまとめて「こういうふうに考えてたみたいよー」と話しましたが、主人からは「どういう気持ちかとか、そういうのはあまりあれこれ考えて(オスカーに)言わなくていいんじゃないか?何も言わないで放っておいても自分で考えるんじゃないか?」と言われました。

うーん、確かに、オスカーが単に「嫌だ」と言ってきた泣き言に対して、「何が嫌に感じるのか」などと分析して勝手にしゃべってしまっていたので・・・。やっぱり「お母さん、どうしたらいいん?僕は」とこられると私は口数が多くなってしまいます。

オスカーは野球が嫌なわけではないと言いましたが、それはいわゆる少年野球ではなく、遊び感覚で自分の思うようにやる野球のことなのでしょう。試合で緊張感を味わったり、勝ち負けの結果がでるからこそ楽しいんだという、スポーツの醍醐味みたいなものは感じとれていないのだと思います。

それは単に好き嫌い・向き不向きの問題なのか、不登校に至った原因となった彼の性格的な問題(プライドが高い、失敗を恐れる、忍耐強く物事を継続できないなど)がいまだ尾をひいているからなのか?。たぶん後者だろうと思いつつ、背中を押すようなことを言ってみました。

翌日の大会には意を決したようにして出かけていき、見事に三振を重ねて帰ってきました。彼の心の中がどうなっているのかは本当のところはよくわかりませんが、野球に関してはもう残り二ヶ月足らずのことなので、ここで辞めるというようなことは本人のためにはありえないことと考えています。とにかく最後までやりきったという経験にしてほしい。
そうは考えてはいるのですが、この先はほぼ毎週大会。オスカーが逃げずにやりきれるのかどうかは四分六分、もしくは五分五分で、私達親が上手く支えられるかどうかにかかっているような気もしています。

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息子(六年生)」カテゴリの記事

コメント

メリーベルさん、こんにちは。
息子さんの少年野球もあともう少しで終わりなんですね。
途中、いろいろなことがあったけど頑張ってきて、ここはぜひしっかりと頑張りとおして欲しいですね。
不登校に至った性格によるものなのかな、と感じる出来事は、最近我が家でもありました。
その時その時の出来事や子どもの状態に合わせて、より良い関わり方を探りながら成長を促していきたいな、と思いました。
お互いに頑張っていきましょう。

投稿: ふらわぁ | 2010年1月20日 (水) 11時58分

ふらわぁさん

ご無沙汰しております。コメント有難うございます。

>不登校に至った性格によるものなのかな、と感じる出来事は、最近我が家でもありました。

そうですか。ふらわぁさん家ではどのように対処されたのでしょうか?
私の方は今回、共感や助言と称してたくさん言いすぎたかな?と不安になっちゃって。先生に電話をしてしまいました。

>途中、いろいろなことがあったけど頑張ってきて、ここはぜひしっかりと頑張りとおして欲しいですね。
>その時その時の出来事や子どもの状態に合わせて、より良い関わり方を探りながら成長を促していきたい

そうだなあと納得させられる、心強いご意見です。先生も困っているというのなら、親がこのようなスタンスでいて、支えたり、アドバイスをするのは構わないんじゃないかと言ってくださいました。
何せ後少しのことでもあるので。

ただ、『格好良くやりたいけど練習はしたくない』という息子の言い分には「なんですかねーそれは」と呆れてはおられました。私もそう思います。
今は支えても、これから先、例えば中学では入る前に自分で部活動をよく吟味するのも大切とは言われました。

また野球、やるのかなー?
やるんなら、あれもできてない、これも間に合わないなんて端っから想像できる泣き言はなしでやってもらいたいものです。

投稿: メリーベル | 2010年1月21日 (木) 12時31分

またまた、来ました~。
我が家の出来事というのは、歯医者の予約のすっぽかし、治療中断というものだったんです。
その治療途中の仮歯が取れて本人もあわてて歯医者に駆け込んで...
保険治療が難しく自費の材料を薦められてしまい...
きっちりと反省させ、今後このようなことがないようにと言い渡しました。
また、予約は歯医者さんとしている約束であること、娘のために時間をとってくれていること、来ないのなら他の人の予約を入れることが可能だったことなど、一つ一つ話しました。
息子さん、中学の部活は何に入るのでしょうね。
うちは入学前はゆる~い部を選びそうな様子だったのに、最後に見学したハードな部に決めましたよ。
どの程度わかってるのかしらとちょっと不安でしたが、今は毎日よく頑張っています。

投稿: ふらわぁ | 2010年1月21日 (木) 14時53分

ふらわぁさん

歯医者さんでしたか。歯医者は子どもにとっては面倒なものでしょうね。痛いとか当面の困りごとがなかったらつい・・となってしまうのでしょうね。息子もおそらく苦手だと思います。

娘さんは部活動頑張っておられるのですね。
自分で選んだ事をしっかりされているのですから頼もしいですね。息子にも希望がもてる気がしました。私も置かれた状況にあわせて成長していってくれることを願っています。

投稿: メリーベル | 2010年1月22日 (金) 14時22分

ご無沙汰しています。藤本です。

うーん目に浮かぶようです

ありますねえ こういう状況は。

親が思っている以上に、ちょっとした動機でいろんなことを子どもは経験したくなるものですね。

親の思いとしては、成果をだして(長く続けて)ほしいものですが、チームプレーの大切なスポーツですから、周りのお子さんがボクちゃんをどう見るか、どう対応するかもイメージすることも必要ですね。

気持ちはよくわかりますよねえ。上手くなりたいけど練習はちょっとね、みたいなのは(笑)

続けられても、止めてしまってもボクちゃんにはいい経験になると私は思います。

頑張って思いっきりバット振ってきてほしいけどねえ(o^-^o)

投稿: 藤本 | 2010年1月24日 (日) 02時29分

藤本先生

長くほったらかしていたブログ、お越し頂いて恐縮です。有難うございます。

先生のおっしゃること、一言一言身に染みる感じです。

>親が思っている以上に、ちょっとした動機でいろんなことを子どもは経験したくなるものですね。

本当にそうですね。子どものやりたいと言うのにはいろんな『やりたい』があって、なかなか子どもの思いの全てを汲みとるのは難しいと思いました。

>チームプレーの大切なスポーツですから、周りのお子さんがボクちゃんをどう見るか、どう対応するかもイメージすることも必要ですね。

本当にチームプレーということの理解を広げないといけないんだろうなあと思います。チャンスで自分が打たないといけないというプレッシャーを感じるのはいいですけど・・・それに切羽詰って逃げるってことが逆にチームプレーを乱すことには気がつかないのでしょうか。。。。

>気持ちはよくわかりますよねえ。上手くなりたいけど練習はちょっとね、みたいなのは(笑)

はい。息子はそういう傾向が強いタイプです。適当に、もともと持ってる力だけで~努力ナシにやれる範囲で~やってきたのだと思います。私達としては別にそれでよかった(前向きではないですが)んですけど。ここまでやれてるだけでもまあこの子にしてはよくやってるよという気持ちでした。

突然こういうふうに煮詰まったのは、私自身は「野球ノート」の存在が大きいと思ってます。やったかやってないかはっきりする課題には追い詰められやすいようです。

>続けられても、止めてしまってもボクちゃんにはいい経験になると私は思います。

そういって頂けると、親として迷いなく進めそうです。

>頑張って思いっきりバット振ってきてほしいけどねえ(o^-^o)

そうですね。プロでもあるまいし、誰も何も求めるつもりはないのですから、すっぱり空振り三振してきたらいいと思ってます。

投稿: メリーベル | 2010年1月24日 (日) 14時49分

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