卒業しました
昨日が卒業式でした
厳粛な雰囲気のきりっとしたという言葉がぴったりの素晴らしい式でした。
卒業証書の授与では六年生が壇上にあがって自作の歌を詠みました。順番に子ども達の声が体育館に響き渡り、それぞれの成長がよく感じられる場面でした。
「四年から始めた野球三年間 やって学んだ続ける楽しさ」 オスカー作
再登校できたときから、ここがスタートだと何度もいい聞かせてきましたが、やはりドラマや漫画のようにはいかなくて、やる気が出ない、面倒くさがる、わがままなどの困った性格を抱えたまま、クラスの他のお子さんよりも回り道をしながら進んできたような気がします。
成長した部分をみるともっともっとできるんじゃないかと少し期待が膨らんでしまい、その後必ず、あーまだこんなこというのかとか、こんなに根気がないってどういうことかな?というような事が起こり、がっかりしたり、あきれたり、イラだったりもしました。そのたびに自分を諌めつつも、そのときの自分は子どもを学校へ行けなくした分を早く取り戻したいと願う気持ちを完全には捨てきれなかったのだと、今となっては思います。
学校生活を続けながら、オスカーは小さな行きつ戻りつを何度も繰り返して・・・・ようやくここまで辿り着きました。詠んだ歌をみると、彼自身も自分について何か思う事があったのだなあと感じさせられました。
壇上で証書を受け取る姿は堂々としていてとても立派に見えました。
その後、PTA会長さんの祝辞の中で「・・・今日この小学校をでたら少しだけ大人に近づきます。これからは大人になる一歩として、自信のない事や嫌な事も恐れずにチャレンジしていってほしいと思います。大人になればそんなことがたくさんあるのです。子どものうちはたくさん失敗をしてもいいのです。いくらでもやり直しができます。失敗は恥ずかしい、嫌だという気持ちがあるでしょうが、それに負けないで挑戦していってほしいです。・・・・」
親御さんとしてのお気持ちがにじみでるような、温かいお人柄そのままのお話ぶり。それにまるでオスカーのことを知ってるかのようなぴったりのはなむけの言葉だったこともあって、心にじんわりと染みました。
その後卒業生と在校生がよびかけあうような形で、みんなで一言ずつ思い出やお礼の言葉をつないでいきました。
「六年生の皆さん、さようなら、さようなら」
「○○小学校のみなさん、さようなら、さようなら」
最後は昔の卒業生が作ったという卒業の歌(この学校にだけ伝わる歌だそう)や蛍の光で本当に終わりとなりました。
私はといえば、会長さんのお話あたりから、もうずっと涙がとまりませんでした。ずーっとじわじわ、ぽろぽろ~。ちょっと止まりそうになると、また子供達の声とか歌が聞こえて「オスカー頑張ったよなー。あぁさようならっだって~」と思うとまた出始める~。晴れの日と思い、いつもよりも厚めに施したメイクは流れ落ちていく~あぁ
式の後は教室に入って担任の先生から最後のお話をきき、集合写真をとったりしました。
他のお母さんに混じってオスカーにカメラを向けるとわざと顔をそむけたり、ハスに構えたり。隣に並んだ先生が私をみつけてオスカーにお母さんあっちよーと言ってくださってましたが、余計下を向いたりして。友達の手前だし、格好つけたい年頃になったんだな。
でも最後にちょっといいことが
二階の教室から在校生が作ってくれる花道に親子で並んで向かうとき、親子で手をつなぐということになっていると周りのママさん達から聞かされました。後ろに並んだ男子のママさんと「まあ、つながないんだろうねー」と苦笑していたら、
「ほらっ、お母さん行くよ」
「え?」
なんとオスカーから手をだしてくれてしっかり握ってくれました。「いいなーうちなんか手をポケットに入れてるのよー」とは後ろのママさん。
いよいよ花道というところで「はい、ここまでだからっ」と離されてしまいましたが、ちょっとしたサプライズプレゼントをもらったようでとても嬉しかったです。
今の気持ちとしてはほっとしたーというのが一番しっくりくるかもしれません。
小学校生活を振り返ってみたとき、オスカーが学校へ行けなくなったときの辛かった気持ちというのは年ごとに薄らいでいるように感じています。それはきっと良い事なのでしょう。人というのは常に前に進んでいけるという証拠でもあると思います。昨日は私達親子にとって本当に晴れがましい日でした。でも、オスカーにとっても私にとってもまだまだ一つの通過点でしかないのだとも思います。彼が大人になって巣立つその日まで~この小学校生活を忘れることなく歩んで行こうと改めて考えた日にもなりました。
夜、お祝いのケーキを食べながら、主人とオスカーが式で詠んだ歌について話しているのを聞くと
父 「へーえらく立派な事を言ったもんだな~感心だな(ちゃかし気味に)」
オスカー「いやあ、まあ正直、続けてやることは面倒くさいわけよ。でも振り返ってみればってことだからさあ」
父 「いやいや、わかるよ。それは正直、誰でもそうだと思うよ。それでもやり遂げられてよかったなと思えたってことだろ。」
オスカー「うん、まあ俺はいろいろ嫌になったりもしたから、まあそんな立派なもんでもないけどとりあえず最後までやれたってところで。だから嘘ってわけじゃないよ。」
父 「もちろん、それはわかってるよ」
ご自分をよくわかっていらっしゃる。口で言うのは簡単だけど、続けるって事は本当に難しい。自分の性格とも向き合うことができたのでしょう。中学でもいろいろあるでしょうから、ぜひこの経験を自分で思い出して活かしてほしいと思います。
| 固定リンク
| コメント (12)
| トラックバック (0)
最近のコメント