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やさしい虐待・・だそうです

夜の七時のNHKのニュースが終わると続いてクローズアップ現代という番組が始まりますが、先日は「やさしい虐待~よい子の破たんの陰で~」と題して不登校の問題を取り上げていました。

「やさしい虐待」というのは私は初めて聞きましたが、長谷川博一氏(東海大教授)が使われている言葉だそうで、「子供の幼いころのわがままや甘えをわかり認めず、幼いころからしつけや教育を押し付けることで、そのことで子供の自己肯定感が育くまれず、対人関係をうまく結べずに不登校などにさせてしまう」という意味だそうです。

前半はお子さんが二人とも不登校になったお母さんのVTR。

成績優秀な息子、礼儀正しい娘になってほしいと、頑張って子育てをされていた。例えば、娘さんが小学生のころ、親子交換日記をして、今日すべき宿題や習い事、家庭学習のことやこうあってほしいという親の思いなどを毎日こまごまと書く。ノートには「だらだらした子は大嫌いです」「きちんとしなければ頭が悪くなるよ」「どうしてきちんとできないのか」などのしつけの言葉、叱咤激励の言葉が並んでいる。

そのうちに娘さんが日記に心のSOSを。「いつも一人。何の手間に生きてきたのか、死んだ方がいいのか・・・」そのときのお母さんの返事は「お母さんこそあなたにいじめられて死にそうだ」と。やがて中学生になった娘さんは友人関係のトラブルから不登校になる。お母さんは「自分も思春期にはいろいろなことを乗り越えてきたのに、逃げてしまう娘が許せない・・」と思う。

後半はこういう問題を克服するにはどうしたらいいかの話へ。

長谷川氏は、やさしい虐待に陥った原因の一つに「親自身へのやさしい虐待の連鎖がある」としていました。前半のお母さんもそうだったように、お母さん自身がいわゆるいい子であることが多いそう。
VTRでは別の親子を例として、やさしい虐待と知らずに育てられた親自身が、自分を見つめなおすことで変わっていき、子供への対応の仕方が変化したり、子供が自ら親の変化を感じたりして、子供の状況が好転していく様子が紹介されていました。

良かれと思って親が一生懸命やっている子育てがやさしい虐待と言われるようなことになってしまう部分は、経験者として身につまされながら見ました。後半の部分は、必ずしも不登校などの問題を抱えるすべての人がやさしい虐待の連鎖で説明できるとは思わなかったけれど、親が自分を見つめなおすことが、親自身が変わり、また子供が変わる一歩であるという点には共感できました。

途中、番組のコメンテーターの重松清氏がこういいます。
「昔はいわゆる教育ママがいたが、今は(教育ママのように)子供をもっと幸せにするぞというよりは、今は親が子供を失敗させないように、失敗させたらだめだと、子供の失敗にすごく敏感になっていて、子供を不幸にしないために親がせっぱつまっている感じがする。今のいい子はうるさい親に反抗・反発するのではなく、親の期待に応えようと頑張って自分を消耗させている。
また、親が無意識に良かれと思って言っている言葉が、子供の胸には深い傷を残していることもあるのではないか。
ただ、ちょうどいいしつけ、ちょうどいい期待ってどこにあるのか?親はちょうどいいつもりで子育てをしているわけで、その結果が不登校になってしまったら悲しいこと・・・・。」

作家だからかなーうまいこと表現する。
「不幸にしないためにせっぱつまる」って私のことだ。オスカーの性格には失敗を恐れるところがあってずっと何とかならないかと気にしてきたけれど、親の自分も自分の失敗に敏感になってたな。とにかく子育てを成功させないといけないと思ってたから。成功とは、テレビの中のお母さんと同じく、優秀で礼儀正しい子に良い子に育てあげること。それに子供のためにいろいろ言ってる言葉が、かえって子供の胸に傷を残すって・・・ほんとにそうだったもんなあ。

前半のお母さんが「(以前は)子供が不登校になったことには自分は関係ないと思っていた。子供の性格や子供の何かがそうさせてると思っていた」と言っていました。子供のために良かれと思って頑張ってるからこそ、子育ての結果がでないことに苦しめられ続ける。その上にそれが自分が育ててそうなったんだとわかったら、自分を責めずにはいられないし、彼女は今、本当に苦しいだろうと思う。私も同じことをしてきたから、あの苦しさの味がわかる。
テレビでこうやって問題として取り上げても、万人に通じる解決法が示されているわけではないから、こういう番組は大抵もやもやさせられたまま終わる。

私もオスカーがたまたま不登校になったから今の自分があるだけで、自分では子供のSOSに気づきもできなかったのだから、えらそうなことは言えない。
それにじゃあ経験者として「ちょうどいいしつけ、ちょうどいい期待」ってなんなのかってことをみんなに向かってうまく答えられそうにもない。私は私が学んだ今の親子の距離を保ちながら、毎日オスカーの顔をみて、これでいいかな、こうかなって考えてやっていくってことだと思う。

誰でもする子育てではあるけれど、わからないなと思ったときを逃さずに、なにがしかの手段で学んだら、自分たち親子の「ちょうどいい」の基準がわかるようになるかもしれないとだけは言えるかな。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

とっても他人事とは思えない特集ですね。わたしもつい先日何かで不登校のテレビの特集やってたんですが、息子とテレビみてたのでついかえてしまって見れずじましでした。

ほんとうに当時はどうして私だけ。。。と思ってました。そして小さい頃の子育ての仕方、もちろんそれだけではないけれどとってものちのちに影響してくるなぁと。

我が息子も失敗を恐れるので。。。ほんとうに私が失敗しないようにしないように先回りして。完璧な子に育てなきゃと。そうするためには親がなんでも教えてあげて、むしろ教えてあげるのが親の役目くらいに思ってましたから。もちろん教えなくてないけないこともありますが。

昨日は久々に大変な夜でした。夜息子が宿題をやろうとおもったら宿題のプリントがないと騒ぎ泣きわめき。。。もうわたしもいらいらぐったり(笑)
まま~どうしたらいい??と泣きついてきてあんな姿久しぶりでした。去年の先生は比較的若くて優しい寄り添ってくれるような女の先生だったからか宿題忘れても怒られるとかなかったもでここまで大荒れすることはなかったです。

今の先生は熱血厳しい男の先生。そして宿題の忘れ物には厳しい罰が与えられたりするようなのでそれを恐れて泣きじゃくる。なかなか立ち直れないような感じなので少しアドバイスしてみたりしながら。私も本当に迷いに迷った夜で今朝の登校に影響しそうで心配でした。主人が帰ってくる少し前に違う宿題にとりかかりだして、そこからは元気がなく溜息ついてるものの、泣きじゃくるということはなかったです。ということは父親の前ではそういう態度を見せられないなと思っているのかな。


昨日は宿題事件の前にも一悶着ありました。夕食でぐだぐだ文句いいだしたりして。主人がいなかったので結構ぐちぐちいってきたので私も怒れて少し言い合いになってそのまま違う部屋に家事をしにいったらすぐやってきてご飯に文句ばかりいってごめんなさいと。

それは嬉しかったです。今まで父親に謝りなさいといわれて謝ってくることはあっても、自ら考えて謝りにくることはなかったので。

こうやってちょっと前進している息子に喜んでみたり、宿題のようにまだまだだなぁと悲しくなることも。

やっぱりオスカーくんと少し似ているかな?(笑)

先日のサッカーの件はなんとか無事に行きました。あ、ついでに今朝の登校も気分悪い私のところへ言いにきたりもしましたが無事に登校。今朝は心配で子供たちよりいつも先に出勤してしまう主人に少し遅く出勤頼んでしまいました。


ほんとはたくさんお話したいこと山ほどありますが、このへんで。今日も長々すみません。あたお会いしてお話したいです!


投稿: マハロ | 2011年12月16日 (金) 17時28分

お久しぶりですhappy01
記事はずっと拝見していました。

この番組は私より先に夫のほうがテレビ欄で見て「きっとリアルタイムでは見られないから録画しておこう」と録ってくれました。

翌日、先に番組を見た夫が「見ていて、ちょっと違うんじゃないかなと思うところもあったけれど、そうだなあ、と共感するところも多かった」と言っていました。

最近は子どもたちも午前中で帰宅、夜は私のほうが早く寝てしまうため、まだ見ていませんがメリーベルさんの記事を読んで早く見たくなりました。

自分たち親子の「ちょうどいい」。
我が家は3人の子どもたちです。
それぞれの「ちょうどいい」を見つけていけるといいなclover

投稿: かのん | 2011年12月19日 (月) 21時11分

マハロさん

こういう番組、やっぱり息子さんとみるというのは微妙~ですよね。うちも気にしないで見るようになったのは何年も経ってからでしたし。オスカーは交換日記の母娘のくだりをみて、「あーこれは大変すぎるだろー。可哀想に。俺はよかったわ。自由にやれてるから。夜更かししたり、好きなことをやってるしなー」とつぶやいてました。横でひそかにほっとした私。
彼は自分がいわゆる「不登校児」だったという認識はあるのですが、今はあのときの自分の気持ちは全くわからないそうです。とにかく登校刺激に来てくださった藤本先生がいろんな意味で(笑)印象的なようですが、「不登校になったら、あのお兄さん達やあの先生みたいな人に来てもらわないと、なかなか自分だけで学校へは行けないんじゃないかな。」とも言いました。自分が支えてもらったというとこは覚えているのでしょうか。まだ小さかったのであの経験は当人にはどんなふうに記憶に残るのかなー?と思います。

話は横道にそれましたが。。。

マハロさんの息子さん、似てるよ~。
なんか手に取るようにわかります。息子さんのぐずぐず具合とか、そのときマハロさんのイライラやら我慢やらの苦しい立場とか。家の中も何とも言えないよどんだ空気が漂いますよね。
プリントがないって、息子さんにはまだまだ一大事だよね。怖い担任の先生っていうのもなかなか乗り越えがいのあるハードルだ。おうちでの対応が大変だけど、こういう経験は今のうちに買ってでもしておいてもらうのがいいと思います。

でもお父さんが帰られたらピリッと変わるっていうのがいいですね。うちはそこも弱かったので、それくらいの時期はまだお父さん効果はとても弱かったです。夫婦のバランスが悪かったんですね。

その点、マハロさん家はイイ感じなんじゃないかしら?
息子さんが逃げたくなるようなときに、お母さんには共感して甘えさせてもらえること、お父さんからはその存在でぐっと背中を押してもらえることで、逃げずにすんでいるのではないでしょうか。

食事の件ではマハロさんが感情的にならないで上手に対応したことが、息子さんの相手を思いやる気持ちをひきだしたんですね。一歩一歩、成長が感じられて私もうれしいです。

宿題は、オスカーに似てるならしばらくかかるかもしれません(笑)。でもそんな彼でもこなせるようになったので、あせらないで気長に支えてあげてくださいね。

また息子さんの様子、聞かせてください。サッカーも頑張れ~

投稿: メリーベル | 2011年12月20日 (火) 10時28分

かのんさん

お久しぶりです。
ちゃんと更新もしないのに、読んでくださっていたこと、ありがとうございます。息子さんもお元気でしょうか。

かのんさんはもちろん、ご主人も問題意識の高い方なんですね。ご夫婦でこういうことで話ができるなんてすばらしい。うちの主人は興味がないようで不登校は夫婦の話題にはならないんですよ。

社会問題をマスコミ(特にテレビ)で取り上げるときって、ちょっと極端と思えるような例をあげて、人の興味をひき、みんなに理解されやすいところに結論を落とそうとする感じがして、いつもちょっと斜に見てしまいます。
これも、やさしい虐待なんてセンセーショナルな言葉をわざわざ作ることもどうかと思ったのですが、実際に講演活動や親の会の活動をされている教授さんなので、人に話を聞いてもらうためには必要なことなのかもしれないと考えてみたり。

この番組は短いので仕方ないですが、結局、原因を親からの連鎖で自分の子にも過干渉や過保護をしてしまうんだという教授の考え一つで説明しちゃってるところが全く腑に落ちなかったです。まあ一般視聴者はこれはこれで一つの考えだとわかって受け止めるのでしょうけど。

でも知らないだけで、全国いろんなところでいろんな活動がされているんですね。その中で私たちがエンカレッジやペアレンツキャンプにたどり着いたのは今更ながらすごい運命だなと思いました。

願うだけですけど、テレビの向こうの子供たちに悩みの出口があるといいと切に思います。

投稿: メリーベル | 2011年12月20日 (火) 17時36分

メリーベルさん、お久しぶりです

私もクローズアップ現代はよく見るのですが、それは見ていませんでした(残念!)

「やさしい虐待」とは、すごい言葉ですね
今だから、よくわかる気がします
私もやさしい虐待の連鎖が合ったと思っています
学歴やきちんとしている子がいい子ということをずっと母親に言われてきましたので。。

テレビに出られたお子さん、親御さんが気づいてからどうされたかしら?
少しでもよい方向へいってほしいですね
ここで紹介していただいてありがとうございました

投稿: テンテン | 2011年12月21日 (水) 07時09分

テンテンさん

>私もやさしい虐待の連鎖が合ったと思っています
学歴やきちんとしている子がいい子ということをずっと母親に言われてきましたので。。

そうでしたか。実際にそのように感じられる方もいらっしゃるのですね。

私もそうなのかもしれませんが、実はよくわかりません。確かに子供のころは成績がよかったことや、真面目であることをほめられて育ちました。が、自分自身がもともと、言われたことを守らなければいけないと思う性格だったゆえとも思います。
自分が失敗を恐れていることは自覚していますが、そういうのも両親の育て方によるものなのでしょうか?ある時期までは(笑)ずっと優等生であったため、学校などで叱られる経験が少なかったのは確かにそうです。
まあ何が原因にしろ、自分に問題があったというのは間違いないのです。

テンテンさんも私もずいぶん変われたということを考えれば、その親自身にどんなことがあったにしろ、やり方次第で、大人になってからでも十分変われるんだと思います。

>少しでもよい方向へいってほしいですね

私も本当にそう思います。

投稿: メリーベル | 2011年12月25日 (日) 14時54分

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