クリスマスの夜
少しさかのぼって・・・2011年末の話。
もうサンタさんなんて信じるお年頃ではないのですが、12月24日には一応家族でクリスマスパーティーをします。いつもはいない主人も今年は休日にあたったので参加です。
私はケーキから料理まで、普段はしないことを一気にするので出来上がったころには疲れきって足が棒~。カメラマンのはずの主人は相変わらずしゃっきり動かず、女心というものが全く分かってないことにがっかりし、それが怒りに変わり。子供は子供で、写真はいいから早く食わせろとだんだん不機嫌に。
始めるまでにちょっと雰囲気が悪くなるのも毎年恒例になりつつありますが、まあ頑張ったかいもあっての料理にも助けられ、何とか楽しく食べ終えました。
そのあと、ケーキのためにおなかを休めようとまったり過ごしている時間に、オスカーと二人でいろいろ話すことができました。学校のこと、部活動のこと、友達のこと、先生のこと、好きなアニメや漫画のこと、読んで面白かった本のこと・・・忙しかった二学期が終わってオスカーもほっとしたのかなー。
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「A夫ってさ、まあ別に悪い奴じゃないけど、ちょーっとつきあいづらいところがあってさ。それはさ、自分のできることの話になると、すぐ『俺はこれだけできるんやぞ』的な話をかぶせてくるところがあってさあ、俺らはさ、あーまた始まったよーみたいな。それで、他の奴らが自慢すんなよ的なこと言うやろ~そしたら、お前には言われたないとかなんとかって言いだして、喧嘩になるんよなー。最近ほんとにそのパターン多いんよな。何とかならんかな~。」
「あーそうなんや。すぐ喧嘩になるのは困るねえ。」
「うーん、まあ。でもさ、A夫のこと、わからんでもないんよな。そういうとこ、俺も昔、今もあるかもしれんけど、あったと思うから。だからさ、A夫を見ると自分をみてるみたいな気もして、見てられんっていうか、俺もそうやったなあって後悔するような気持になるんよな。」
「へえ~、オスカーも『俺はできる』的なこと言ってたことあるん?」
「うん。小学校の時。B太とかに。あいつらに俺の方が運動ができる的な態度をしてたんよな。B太は気にするタイプじゃないから気にしてなかったかもしれんけど。」
「へえ、そんなこともあったんやね。そうやねーB太君は優しい子やし、そういうのは聞き流すタイプかもしれんね。」
「うん、まあ。でも俺はそうしてたから、あかんかったなあと思うわけ。」
「うんうん、まあ人間いろいろあってわかることもあるしね。思い出したら赤面ものなことは誰でもあるものよ。」
「そうなんかなー」
「今はそういう風にせんとこって思えるのがいいと思う。それと、そうしてるように見えるA夫のことも見守ってあげてる風なのもいいと思うよ。」
「まあね。なんせ俺たちは中2病にかかってるから。」
「そうやねー中2病真っ最中やもんね。それ抜けたらみんな変わるかもね。」
・・・・・
「それにしてもオスカーはよく頑張ってると思うよ。」
「そうやろ、そうやろ」
「いや、冗談抜きに、お母さんはよくやってると思うよ」
「いやいや、まだまだよ~俺なんかさ。」
「野球もね、中学になってからは自信をもって打席にたってるように思うし、実際いいところでヒットもでるようになったし、守備も安定感あるし。それはやってないようにみえて練習は集中してちゃんとしてるんかなーと思ってるわけ」
「まあ、一応キャプテンやし、素振りの時も考えてバット振ってますから~」
「少年野球のころと比べたら格段の差があるよ。布団かぶってでてこんかったときもあったやん」
「まあ、あんときはね、打てる気もせんかったし」
「なんで布団かぶったりしてたん?」
「うーん、あのときは心が折れとった。できる気が全くしなかった。なのに周りから打てるやろー、できるやろー的な期待されて、それが重すぎて折れた。」
「そうかー、俺が打たなあかんと思ってたわけや」
「というか、悔しかったんよーすごく。打ちたいのに打てんから、自分が情けなくていっつももう涙出そうでしょうがなかった。」
「えー!?そうやったん?お母さんわからんかった。野球ではいっつもポーカーフェイスやったやん!」
「いや、めちゃめちゃ悔しかったよ。俺、(野球に)後から入ったやろ。そのときはもうB太とかC輔とかはずっと前からやってるからやっぱりうまかったわけ。俺だけキャッチボールしても遠くまで届かんし、守備もバッティングもできん。なかなかうまくできんかったから、ずっとすごく悔しかった。」
「そうやったんかー。悔しかったんやー。」
「うん、それでできんかったら悔しくて、嫌になって、まああのときは今よりも弱かったから折れたりもしたんかなと思う。」
「ふーん、そうとはわからんかった。なんか、わかってなくてごめんね」
「いやいや、別に。」
「オスカーはね、外ではいっつもポーカーフェイスやねって思ってたんよ。あっでもこの前の体育祭のときなんかは、すっごい顔してクラスの応援したり、頑張ってたのを見て、こんな顔もするんやなと。」
「いや、俺は顔に出てるときって、悔しさとかはそれほどでもないんよ。たぶん出てない時の方が悔しいってタイプやと思う。ほんまに悔しい時は逆に顔に出んのよ。」
「へえ~わかったわ。覚えとく。」
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話のほんの一部だけど、覚えておきたいなと思って書きとめました。
なんか、ほんと、うれしかったですね。オスカーがこんなにいろいろなことを感じて、また考えられるようになっていることがわかって、ほんとにうれしかったです。
そしてこんな心の一部を私に打ち明けてくれたこともありがたかったなあ。
顔見たらいろんなことがわかるわかりやすい子って思ってたけど、あのポーカーフェイスの下の気持ちはわからなかったなあ。親の想像をこえて成長してるんだなあ。
これからはだんだん物を言わなくなるんだろうけど、心の奥では信頼しあってつながってる、そんな親子でいたいと思います。
長々と話した後、おきまりのクラッカーをならしてケーキを切り分けました。
今年のケーキはみかけは地味でしたが、味は濃厚~なかなか好評でした。
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